バイトテロで閉店、倒産!? 外食産業における炎上事例

外食業界において、いわゆる「バイトテロ」による倒産、閉店が相次いでいます。
過去5年を振り返ってみただけでも、ステーキハウスのブロンコビリーやピザハット、牛丼のすき屋など、名だたる有名チェーンが炎上事件の舞台となり、深刻なイメージダウンと多額の損害に見舞われてきました。
アルバイトによる悪ふざけのツイッター投稿から始まり、炎上騒ぎから来店の減速、閉店という流れがそのすべてに共通しており、この一連の流れは「バイトテロ」という言葉とともに、さながら社会現象の様相を呈してきています。

このような「バイトテロ」から自社の評判を守るにはどうすればよいのでしょうか。
本稿では過去の炎上事例を具体的に振り返りながら、炎上防止策を探っていきたいと思います。

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バイトテロとはなにか

バイトテロとはなにか

事例1 ブロンコビリー炎上と閉店

そもそも「バイトテロ」とはどのような行為を指すのでしょうか。

ウィキペディアによると、アルバイトや非正規雇用の従業員が就業中に悪ふざけを行い、その様子をSNSやYoutubeなどにアップロードする行為が企業や店舗に大損害をもたらす様子がさながらテロ行為のようだということで、これらの行為を総称して「バイトテロ」と呼ばれるようになったとされています。

そのほとんどがツイッターを舞台にしており、「バカッター」などとも揶揄されている点も共通した特徴で、どちらも2013年の流行語大賞にノミネートされた比較的新しい言葉です。
SNSが普及しだした2000年代後半から、SNSを舞台とした飲食店アルバイトによる個人情報漏洩や炎上事件はたびたび報告されてきていましたが、「バイトテロ」という名称がメディアで大きく取り上げられた最も有名な炎上事件はブロンコビリーのものでしょう。
この事件は2013年8月5日夜、東京・足立のステーキハウス『ブロンコビリー』にて、学生アルバイトがキッチンの業務用冷蔵庫に入り込み、顔だけ外に出している写真をツイッターへ投稿したことに始まります。

ことの顛末は、以前本稿でもお伝えしたセンチュリー21の炎上事例とよく似た経過をたどりました。ものの数分のうちにツイッターが炎上状態となり、当人のプロフィール情報や過去のつぶやきなどから学生の素性とバイト先などが瞬く間に特定されていきます。
炎上状態のところに当人が「しらねぇーやつが面白がって拡散とかいってリツイートしてんじゃねーよ」(原文ママ)などと火に油を注ぐツイートを繰り返したことで拡散と炎上がますます加速、翌朝にはバイト先の店舗にまで苦情の電話が殺到するに至りました。

名古屋にあるブロンコビリー運営本部は事実関係を確認後、すぐに当該店舗の休業、学生アルバイトの解雇を発表しました。過去の炎上事件と比べてみても本部の対応は迅速ではありましたが、それでも炎上状態は収束することがなく、わずか一週間後の8月12日には店舗の閉店を余儀なくされたのです。

事例2 蕎麦屋炎上と倒産、損賠賠償

ブロンコビリーよりも深刻な事態に陥った例として、泰尚の事件も忘れられません。

東京都下多摩ニュータウンにある老舗のそば屋『泰尚』で、多摩大学のアルバイト学生が厨房の食洗機に足を入れてはしゃいでいる画像をツイッターに投稿したのは2013年8月9日のことでした。
すぐさま「不潔だ」「ありえない」とするリツイートとともに、学生の過去ツイートなどから身元を洗われ、いわゆる炎上状態となりました。投稿の翌日には店へのクレーム電話が鳴りやまず、たちまち開店休業状態に追い込まれます。

『泰尚』は1984年の開店以来、夫婦二人で営んできた小さな蕎麦屋でしたが、事件の前年に創業者が亡くなり、規模を縮小して再建を期していたタイミングでもありました。この事件を機に客足は遠のき間もなく営業停止に追い込まれ、事件からわずか2ヵ月後の10月9日、東京地裁から破産宣告を受けるに至ったのです。

事件によって受けた損害は3300万円にのぼると報じられましたが、ブロンコビリーと違い零細経営であったこともありその損失を補填することはできず、やむなく店を畳むことになってしまったのです。

その後、『泰尚』オーナーは学生アルバイトに対し1385万円の損害賠償を求め提訴に踏み切りました。しかしながら、2015年3月に和解に至ったその金額は、一説によるとわずか129万円と言われています。事件当時、周囲で撮影したり投稿したりしていたほかの学生の分もふくめても、わずか200万円たらずの慰謝料で和解せざるをえませんでした。結局、店側は大きな損失を出して倒産したうえ、その補填もままならず泣き寝入りすることになったのです。

外食バイトテロと国民性

外食バイトテロと国民性

これまで見てきたようなバイトテロによる炎上事例は枚挙にいとまがありません。その後もピザーラやすき屋、吉野家などの有名チェーン店での炎上事件が相次ぎ、客による投稿によって炎上に巻き込まれたケースを除いても、過去5年で数百件にのぼると想定されています。

バイトテロの共通点として、モラルに反した悪ふざけをアルバイト従業員が行い、それをSNSに投稿することが前提となっていますが、こと外食産業に限ってみると、悪ふざけの対象は決まって食品や食器、調理器具に向けられるため、これがより一層炎上に拍車をかけているものと推察されます。

食べ物に対するモラルや安心安全志向は、日本ではとりわけ厳しい視線が向けられてきました。
過去10年を振り返ってみても食品偽装や食中毒、食品工場での衛生問題がメディアを騒がせない日はないと言ってもいいぐらいです。

余談ではありますが、そんな日本人の国民性を表す国際ジョークに次のようなものがあります。

日本人を怒らせようと、各国の国民がいたずらをする。目の前で国旗を燃やしても、ミサイルを領海に撃ち込んでも、平然としていた日本人。しかし、最後に目の前で寿司のシャリを捨てたところ、それに対しては血相を変えて激怒した。

というものです。

幾分ステレオタイプ的ではありますが、日本人の国民性をよくあらわしたジョークだと思います。毒入り餃子問題やBSE、キムチのノロ問題など、食によって国際問題となった事例もまた枚挙にいとまがなく、比較的忍耐強いと言われるわれわれ日本人がいかに食に対してセンシティブな感情をもっているかがよくわかるのではないでしょうか。

本題に戻りますが、とりわけ日本では、食というのはこれだけ監視の目が厳しくセンシティブな問題であるわけですから、外食産業でのバイトテロを含めた炎上事件が後を絶たないのは当然なのかもしれません。だからこそ食を扱う外食の現場では、たとえアルバイトや非正規社員といえども、高い倫理観と最低限の情報リテラシーが求められる時代なのです。

バイトテロにあわないためには

バイトテロにあわないためには

これまで見てきたように、外食産業はバイトテロをはじめとした炎上事件に最もさらされやすい業種であり、閉店、倒産の事例からもわかるようにその被害は甚大なものです。

バイトテロの被害にあわないために最も必要なのは、社員教育の徹底と炎上が起こった後の速やかな対応であることは言うまでもありません。フランチャイズなどで運営本部機能を置いている場合は、

  1. SNSガイドラインを定めているか
  2. 非正規社員に誓約書へのサインをさせているか
  3. 炎上した際の適切な広報機能があるか

以上三点を速やかに再点検する必要があるでしょう。
紙幅の関係で具体的な炎上防止策の詳細は別コラムに譲りますが、SNSへの安易な投稿によって消すことのできない汚点を生涯にわたり残してしまうリスクがあること、情報漏洩による損害賠償を求められることがあることなどをアルバイト社員に理解させ、具体的にイメージさせることが何よりも重要です。

また、ことが起きてしまった際に広報担当者が炎上の広がりを素早く把握し、早期に謝罪文のリリースや閉店の判断をするとともに、場合によっては謝罪会見実施に踏み切るなどの高度な危機管理能力も求められています。
本稿が過去の炎上事例を正しく学び、自社で同じような被害を受けないために社内体制を再構築するための一助となれば幸いです。