不動産賃貸業の炎上事例①~うちナビ倒産に学ぶ評判管理の重要性~

不動産賃貸業の炎上事例①~うちナビ倒産に学ぶ評判管理の重要性~

今回は、不動産賃貸業の炎上事例の第一弾、うちナビ倒産に見るウェブ評判管理の重要性についてご紹介します。

不動産業界ではネットやITの普及が遅れている、というのはよく耳にする話です。
とりわけ賃貸業界ではこの傾向が顕著で、随分前から業者間のやり取りは電話とファックスが主流、今でもメールでのやり取りは敬遠されたまま…などという話をよく聞きます。

メールやネットが使えない、ホームページすら持っていない町の不動産屋さんが数多く存在するのは残念ながら事実のようで、ウェブコンサルタントとして様々な不動産会社の担当者と接しているなかで、「不動産はIT化に取り残されている」「旧態依然としていて恥ずかしい」といったため息交じりの声を聞くことが数多くあるのが実情です。

そんな不動産賃貸業ではネットの風評や炎上は無縁だろうと考える方もおられるかもしれません。現場がネットを使っていないのだから、風評の立ちようもないだろう、と。
しかしながら、当然そんなことはありません。不動産賃貸業でもここ数年、実に数多くの炎上事例、風評による経営悪化の事例が報告されています。
2回にわたり、不動産賃貸業での特徴的な炎上事例を見ていくことにしましょう。

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【うちナビ】倒産から学ぶこと

うちナビ

株式会社うちナビは、業界に先駆けてIT化を推進、ポータルサイトからのネット集客に取り組むかたわら、直営店舗を全国に積極展開し、右肩上がりの成長を続けていました。
2014年には直営で20店舗を超える出店攻勢を見せ、新卒25名を採用、創業わずか7年で社員数100名を超えるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで事業拡大を図っていきました。
そんな矢先の2016年10月、当時の代表を務めていた角南社長が突如失踪、8億円の負債を抱えて経営破綻の憂き目にあったのです。

うちナビの倒産はまさに晴天の霹靂で、当時世間でも大きく取り上げられました。社長の失踪というわかりやすいスキャンダルは世間の耳目を集め、テレビや雑誌メディアの恰好のネタとなったため、すでにご存知の方も多いかと思います。
それでは一体なぜ、うちナビ社は倒産してしまったのでしょうか

うちナビ社のビジネスモデルは業界でも特異なものでした。その特徴は次のようにまとめることができるかと思います。

  1. 賃貸仲介業への特化
  2. 広告宣伝費の大量投下によるイメージ戦略、ネットを駆使した大規模集客
  3. ファンドからの資金調達を背景に出店攻勢、新卒育成による営業部隊の整備

それぞれの項目について、順に説明していきたいと思います。

【うちナビの特徴①】賃貸仲介業への特化

賃貸仲介業はいわばフロービジネスです。キャッシュフローがよく現金化が早い反面、賃貸管理のように安定したストック収入がないため、広告宣伝費をじゃぶじゃぶ投下して新規のお客様を次から次へと仲介していかなければジリ貧になってしまいます。
賃貸仲介と賃貸管理をバランスよく組み合わせるのが一般的な賃貸業のビジネスモデルであり、それに比べるとうちナビのビジネスモデルは、営業力によって急拡大しやすい反面、ストック収入を得られず、経営が安定しづらいというデメリットを抱えていました。

【うちナビの特徴②】広告宣伝費の大量投下によるイメージ戦略、ネットを駆使した大規模集客

フロービジネスである賃貸仲介に特化して事業拡大を続けていくため、うちナビ業界では珍しく、ネットからの集客に力を入れていました。ポータルサイトからの集客とメディアを大々的に活用した広告宣伝によって新規顧客を大量に集め、強い営業力を駆使して、お客様がお部屋を申込むまで粘り強く営業を続けてクロージングを行うというスタイルです。
このスタイルが成功するためには、ウェブでの集客と評判管理を徹底しつつ、現場の営業力を確保し続けるという全く異なる両輪をうまく連動させて機能させる必要がありました。

【うちナビの特徴③】ファンドからの資金調達を背景に出店攻勢、大卒営業部隊の整備

うちナビは、ヘッジファンドを活用し資金を調達、10年代初頭には渋谷の一等地など好立地に続々と出店攻勢を仕掛けていきました。また、新規顧客を確実にクロージングできる精鋭の営業部隊を育成するため、新卒採用に力を入れていきます。不動産賃貸業で大卒の一括採用を行うというのはあまり例をみないことで、ここにもうちナビの特殊性を見ることができるでしょう。

まとめ

これまで見てきたように、うちナビのビジネスモデルは仲介に特化した特殊なもので、そこにはウェブでの強力な集客と優秀な営業パーソンの確保が絶対的に不可欠なものでした。

しかしながら、うちナビ急成長の原動力であったこの両輪は、成長期からすでに、少しずつ軋みが生じ始めていたようです。
急な店舗拡大により新規顧客を確実にクロージングする優秀な営業人材の確保が追い付かなくなると同時に、ウェブ広告やメディア露出によって認知度は上がったものの、その強引な営業手法によって数々の悪評や同業他社からの嫌がらせの書き込みをうけてしまったことで少しずつ来店が減少していきました。それによって徐々に赤字店舗が拡大、経営不振が表面化していったのです。
われわれウェブの評判管理の専門家から言わせると、あれだけの広告宣伝費を投下しながら、なぜネットでの評判管理や風評対策に手が回らなかったのだろうと不思議でなりません。おそらく業界的にもウェブの評判管理に予算を投下するという常識がなかったことは推測に難くありませんが、それにしてもウェブでのうちナビの評判はお世辞にもいいものとはいえず、せめて現状の分析さえきちんと行う環境があればと悔やまれるところです。

急拡大の時期からすでに2ちゃんねるには関連スレッドが多く立ち上がり、店舗の担当者名が書き込まれて中傷されることが常態化していた一方、サジェストには「しつこい」「迷惑」などのネガティブワードが多数並んでいました。
せっかく多くの広告宣伝費を投下してウェブで顧客を集めても、これらの風評によって肝心の来店にはつながらず、強力な営業部隊がいるはずの店舗への来客は徐々に目減りしていったものと見られます。これら複合的な要因によって業績が悪化の一途をたどり、現場の雰囲気もそれに応じて悪くなり、従業員がやめていくという悪循環がもたらされていったのです。

結果として株式会社うちナビは、2016年10月に倒産の憂き目をみたのでした。
うちナビの倒産は、ネットの風評対策や評判管理がいかに重要かを如実に示す事例と言えるでしょう。広告宣伝費を使う以上、その一部を評判管理に回し、適切な対策とブランディングを行っていかなければ、この過酷な競争社会を勝ち抜くことは難しいということなのです。
一企業が倒産する際には、複合的な要因が複雑に絡まり合っているのが通例で、単純な議論は暗に慎むべきなのはもちろんです。しかし、われわれウェブ専門家の立場から見ると、ウェブ上での監視により評判や口コミがどのようなものであるかを常に経営陣が把握すること、現状認識に基づいて適切な風評対策を講じること、これさえ適切に行っていれば倒産という最悪の事態は避けられたのではないかと悔やまれてなりません。
うちナビの事例は特殊なものと思われがちですが、一歩間違えればあす自身の身に降りかからないともわからない、示唆に富んだ事例であると思われます。そう、貴社もまた、例外ではないのです。